*患者様へ*Medi-Seq(メディ・シーク)は提携医療機関での実施となります
*2024年5月より従来型PGT-A検査(TE生検に基づく)との併用/単独での受託解析を開始いたしました。
❏胚培養液中Cell Free DNAとは?
最近の研究により、胚から培養液へとDNAが放出されていることが明らかとなっています。さらに近年、胚培養液中Cell Free DNAを安定的に増幅し、解析することが可能となってまいりました。複数の研究グループから臨床的有用性も報告されています。ゲノムクリニックは胚培養液中Cell Free DNA解析をご提供しています。ぜひ新しい胚評価をご利用下さい。
❏検査の意義
現在、移植胚の生検に基づく評価が臨床または研究として行われています。しかし、胚の一部を切り取る必要があるため、場合によっては胚にダメージが及ぶことが知られています。また胚生検による児や母体への長期的影響は未解明です。胚にダメージを与えずに非侵襲的に評価を行う手法が望まれています。胚培養液中Cell Free DNA解析は胚に全くダメージを与えることなく得られる培養液を検体に用いることにより、胚を非侵襲で評価できる非常に有用な検査です。また、胚生検などの特殊な手技は必要なく、ラボワークに負担をかけることもありません。ぜひMedi Seq(メディ・シーク)の導入をご検討下さい。
❏検査の方法
胚培養後に培養液を凍結保存していただき、ご提出いただきます。培養液中核酸を抽出・増幅後、次世代シーケンサーによりCell Free DNAを読み取ります。専用ソフトウェアを用いレポートを作成し、胚ごとの評価を行います。同一の培養条件下で得られた胚においては他の評価法に本手法を加えることにより、着床率の上昇が期待できます。検査に必要な培養液量は最低10 μlであり、シート法などに利用した残検体でも可能です。既に凍結されている胚に関しては、回復培養液を検体として使用することも可能です(6-12hの復帰培養推奨)。
❏ご利用シーン
現在、体外受精胚の移植順決定は主に形態学的評価に基いて行われています。Veeck分類やGardner分類といった伝統的な評価法は着床率の向上に大きく寄与しています。またタイムラプス法や胚代謝産物を利用した評価法も試みられています。一方で、それらの評価法で同一の基準となった場合、移植順の決定に迷う例も散見されます。従来の評価法に加えて胚培養液中DNAによる評価をご利用いただくことで、着床率の向上が期待できます。
❏所要日数
検体のご提出からレポート返却までの所用日数は約30日間です。
*新鮮胚移植には対応していません。
A. 論文によって差はありますが、胚全体またはTE生検に基づく判定との一致率は概ね7~9割と報告されています。胚の一部を調べる検査よりも胚全体を反映した結果が得られるとする報告もあります。
A. 生検によるダメージを胚に全く与えないことが最大のメリットです。特に早い段階の胚やクオリティの低い胚は、生検により着床率が低下してしまうことが知られています。
A. これまでの研究により、培養後半の培養液が良い検体であるとされています。例えばDay 3で胚をWashしていただき、その後の培養液をご提出いただく方法が推奨されています。
A. はい、検査システムのバージョンアップに伴い、2024年5月より従来型のTE生検に基づくPGT-A検査との併用/単体での受託解析が可能となりました。例えば、生検によるダメージが危惧される低グレード胚や母体高年齢の胚はMedi-Seqで非侵襲の解析を行い、その他の胚は生検によるPGT-A検査を行うといった使用法が考えられます。