下記のテーマで研究を行っています。
ゲノムクリニックは共同研究者を募集しております。
また受託解析のご相談も承っております。
様々な解析プランのご提案が可能です。
お気軽にお問い合わせください。
❏次世代シーケンス解析パイプラインの最適化
次世代シーケンサーによる個人ゲノム解析は新しい技術であるため、まだ臨床検査としての精度が完全には確立されていません。Wet, Dryに関する各プロセスを検討し、分析的妥当性を確保します。また、見つかった各バリアントが本当に行動を起こすべき病原性を持つか、臨床的妥当性・有用性に関する研究も行います。単に既存のデータベースからの意味付けを行うだけではなく、AIやゲノム編集といった新技術を柔軟に活用し新たなエビデンスの構築を目指します。
❏倫理・社会・法的課題の検討
日本には未だ遺伝子差別禁止法が存在しないなど、広く個人ゲノム解析を行う上での課題が存在します。また社会でヒトの遺伝子に関する活発な議論は行われていない状況です。個人ゲノム解析を真に健康に活用し、ゲノムを読んだ人も読まなかった人も等しく健康を追求できるよう法的・社会的・倫理的諸課題を研究します。将来的なゲノム情報・医療健康情報のシェアリングと解析を見据え、必要な法制度、データベース構築についての研究を行います。
❏遺伝学的解析コストの低下を目指す研究
以前は1人あたり10億円以上要したゲノムワイドな解析は次世代シーケンサーの発明後、劇的に低下し10万円を切るほどになってきています。一方で、未だに一般的な検査としては高額であり、数個から数百個の遺伝子を解析する場合でもコストが下がらないなどの課題が存在しています。解析の正確性を担保しつつも、コストを低下させるための研究を行っていきます。
❏新たな発症リスク判定法の開発
現在の遺伝学的解析はゲノム全体の中でも遺伝子領域に集中して行われています。しかしこの遺伝子領域はゲノム全体の3%ほどの領域に過ぎません。近年、遺伝子間領域の機能に迫る研究が報告されてきています。多因子遺伝リスクスコア(PRS)やDeep Learningといった新しい解析法を検討し、より精確なリスク判定法の開発を目指します。
❏意義不明変異(VUS)の機能評価法の開発
遺伝学的解析が広まるとともに、VUS(Variant of Unknown Significance)と呼ばれる「現時点では意義が不明なバリアント」の扱いが課題として浮かび上がってきました。既存の評価法ではVUSの意味付けは不十分であり、細胞を用いたバイオアッセイなど新たな評価法の開発が必要となっています。
❏体外受精時の胚評価法の開発
生殖医療領域は今後、最もゲノム解析が発展する領域の1つであると考えられます。特に胚の培養液中に放出される核酸(Cell Free DNA)に注目し、新たな胚評価法を開発することを目指しています。
❏多因子遺伝リスクスコア(PRS)の実装化
複数のSNPを統合して疾患リスクを評価するPRS研究が世界的に盛んです。日本におけるPRS研究を推進すると共に、特に乳がん・卵巣がんリスク判定の実装化を目指します。
❏遺伝子解析に特化した半導体の開発
次世代シーケンサーで読み取った配列はコンピューター上で再構築されます。一方で、その際に多くの時間を必要とし、ボトルネックとなっています。特にリード配列のマッピング、バリアント評価に特化した半導体開発を目指しています。
❏人工子宮の開発
胚が子宮内膜へ着床および侵入する際のメカニズムを解明し、後期発生を人工的に再現する系の構築を目指す。不妊治療や新生児医療のみならず、人口問題や絶滅種復活に貢献する。
❏循環血液中がん細胞の培養・検査系の開発
がんが進行すると、血液中にがん細胞が循環することが分かっています。これはCirculating Tumor Cells (CTCs)と呼ばれ、現在のがんの状態を反映しています。CTCsを効率的に培養し解析することによって、がんのモニタリングが可能となり、新たな治療ターゲット探索につながる可能性もあります。