がんリキッドバイオプシー外来


✔がん早期発見、モニタリング、治療すべてに役立つ情報をご提供します。

✔採血などで得られる情報を元にした、体に負担の少ない外来です。

✔完全予約制でゆっくり診療させていただきます。

✔がんリスク判定(全遺伝子解析、尿中miRNA解析)はオンラインで受診できます。

✔往診での採血にも対応いたします(別途、往診費あり)。

✔受診を希望される方は、下記の予約フォームにご入力下さい。


❏リキッドバイオプシーとは?

がんが体内で大きくなってくると、その一部が元の場所から血管内にこぼれ落ち、全身を巡ることが分かっています。血液中からがん細胞またはそのDNA/RNAを取り出して調べる(リキッドバイオプシー)ことによって、いまのがんの状態を調べたり、治療に役立つ情報を得ることができます。がんリキッドバイオプシー外来では、国内外の最先端の解析および当院ラボでの解析をご提供します。既存のがん検診や標準治療と併用することが可能です。皆様にとって最適な選択肢をご提案いたしますので、お気軽にご予約下さい。


❏リキッドバイオプシー外来ご受診の仕方

❏予約フォーム

ご来院をご希望される方は、下記フォームにご記入いただき送信してください。2営業日以内(土日祝日を除く)に予約枠設定のためのメールをお送りいたします。※当日のご予約・ご来院はできません。

メモ: * は入力必須項目です


❏ご提供する診療

主な項目を下記に示します。患者様のご希望や状況に応じて、適切な組み合わせをご提案いたします。

◆がん早期発見・モニタリング

◯セルフリーDNA定量(cfDNA)検査 ※当院ラボにて実施

【説明】

がんが進行すると、がん細胞が破壊された際にそのDNAが断片化され細胞外に放出されることが知られています。これはセルフリーDNA(cfDNA)と呼ばれ、がんの進行と共にその血中での濃度が上昇する傾向があります。cfDNA濃度を定期的に測定することにより、がんの徴候や進行をいち早く捉えられる可能性があります。

【注意点】

1. 妊娠中の方、2. 移植を受けた方, 3. 過度な運動をされた後の方は受けることができません。また、炎症性疾患・糖尿病・外傷治療中・敗血症・心疾患治療中の方は適切なデータが得られないことがあります。本検査は推奨される既存のがん検診を置き換えるものではありませんので、自治体などから推奨される検診は引き続きお受けください。

【費用】

・1回 16,500円(税込)

※自費診療になります。

◯血中マイクロRNA検査(miRNA)検査 ※mirxes社シンガポールラボに委託

※2024年3月開始予定

【説明】

最近の研究により、がんからはマイクロRNAと呼ばれる短いRNA鎖が放出されていることが明らかとなってきています。このRNAをシグナルとして捉えることにより、早期からがんの発症を検知できることが分かってきました。特に、血液中miRNA解析でリードするシンガポールのmirexes社の解析はエビデンスレベルも高いと考えています。

【注意点】

現時点では、

・肺がん

・胃がん

の早期発見においてエビデンスが示されています。

【費用】

・1がん種 33,000円(税込)

※自費診療になります。

◯尿中マイクロRNA検査(miRNA)検査 ※CRAIF社国内ラボに委託

【説明】

マイクロRNAは尿中からも検出できることが分かっています。尿は自己採取が可能かつ、郵送もできるためオンライン医療でのがん早期発見が期待できます。

【注意点】

当院から検査キットを郵送いたします。ご自身で採尿および梱包を行っていただきます。

結果レポートは当院からのオンライン診療にてお伝えいたします。

【費用】

・1回 60,500円(税込)*オンライン診療費を含む

 

◯腫瘍マーカー検査(PSA, CA19-9, CA125など) ※BML社に委託

【説明】

がんの進行と共に、特有の腫瘍マーカーの血中濃度が上昇することが知られています。特に男性で好発するがんである前立腺がんのマーカー(PSA)は早期発見のための良い指標です。治療効果指標としても有用です。

【注意点】

腫瘍マーカーはがん以外の要因でも上昇するため、必ずしも早期発見につながらないとする考えもあります。腫瘍マーカーのみに頼らず、総合的にがんを見つけていくことが重要です。

【費用】

例:PSA検査 1回 3,300円(税込)

※腫瘍マーカーの組み合わせにより異なります。

※自費診療になります。

 

◯ガーダント・シールド(大腸がん早期発見)検査 ※Guardant 社米国ラボに委託

【説明】

特に大腸がんにおいて、特定のメチル化DNAが血中に出現することが明らかになっています。これを検出することにより、大腸内視鏡に匹敵する精度で大腸がんを早期発見することが可能です。様々なご事情で大腸内視鏡を受けることが難しい方にとって有効な選択肢です。

【注意点】

すでに明らかな症状がある方には大腸内視鏡等の検査・治療を推奨することがあります。

【費用】

275,000円(税込)

※自費診療になります。

◯ガーダント・リビール(大腸がん、乳がん、肺がん再発モニタリング)検査 ※Guardant社米国ラボに委託

【説明】

がんに特有のメチル化DNAを解析することにより、がんの再発を早期に発見する検査です。既に大腸がんの再発を腫瘍マーカー(CEA)よりも高い精度(感度・特異度)で検出できることが明らかとなっています。また、乳がんと肺がんの再発モニタリングにも有効であることが示されています。

【注意点】

腫瘍マーカーも併用したモニタリングを推奨いたします。また適宜、画像検査等の併用も推奨いたします。

【費用】

385,000円(税込)

※自費診療になります。

 

◯循環血中癌細胞(CTCs)評価 ※当院ラボにて実施

【説明】

がんが進行すると、その一部が血液中に循環することが知られています。その細胞はCirculating Tumor Cells (CTCs)と呼ばれ、血液中から採取することで指標とすることができます。当院のCTCs検査では、細胞数・増殖能などを調べることによって、がんの状況をモニタリングすることができます。さらに高度な遺伝子解析につなげることも可能です。

【注意点】

1回の検査では、がんの状況を把握することはできません。時間を追ってCTCの増殖能を評価する必要があります。

【費用】

1回 55,000円(税込)〜

※分析する項目によって異なります。

※自費診療になります。

 

◯全遺伝子解析(Whole Exome Sequence) ※当院ラボおよび提携シーケンスラボにて実施

※オンラインでの受診が可能です

【説明】

ヒトの持つ約3万遺伝子すべてを解読します。その中から、がんに関わる主な遺伝子について病的な意味づけを行います。明らかな病原性変異が見つかった場合、重点的にフォローすることによってがんを早期に発見・治療できる可能性が高まります。例えば、BRCA1, 2の病的変異がある場合、乳がん・卵巣がんリスクが大きく上がります。唾液からの検査も可能なため、遠方の方には郵送とオンライン診察を用いた診断が可能です。

【注意点】

現時点ですべての病原性変異が明らかとなっているわけではありません。また例え病原性変異が見つかったとしても、必ず発病するわけではありません。本検査は事前に遺伝カウンセリングを実施したうえで行います。また転座・融合遺伝子といった構造的変化は解析しません。

【費用】

198,000円(税込)

※遺伝カウンセリング費を含む

※自費診療になります。

◆治療情報提供

◯がんクリニカルシーケンス ※Cancer Precision Medicine社およびメディネット社ラボに委託

【説明】

血液中から、がん細胞DNAを検出しその遺伝子配列を解析します。血液中のがん細胞に固有の遺伝子変異を特定することにより、分子標的薬の治療ターゲットが見つかることがあります。既に国内で使用が認められた分子標的薬が見つかれば投与を検討できます。現在は使用できなくても、治験などに参加できる可能性があります。また、分子標的薬が見つからなかった場合は、変異タンパク質を用いた免疫療法も検討できます。

【注意点】

標準治療実施後または実施中の方が対象となります。

投与が考慮される分子標的薬が見つかる可能性は5〜10%ほどと考えられています。

全身状態や治療方針により見つかった分子標的薬を投与できないケースもあります。

【費用】

660,000円(税込)〜

※分析する項目や追加検査の必要性によって異なります。

※検査後に投与する薬剤や治療費は含まれません。

※自費診療になります。

◆往診での採血

【説明】

健康上の理由やご多忙にて通院が困難な方には、往診での採血を実施いたします。ぜひご利用下さい。

※検体搬送上の理由で関東圏のみの対応です。

※関東外も対応できるケースがありますので、ご相談下さい。

※結果のご説明はオンラインとなります。

【費用】

1回:33,000円(税込)+交通費


❏院長よりメッセージ

 

ゲノムクリニック創業時の目標の1つが、「がんを早期に発見し、予後を改善する」ことでした。この間、私たちだけでなく世界中の研究者や企業がこのテーマに取り組み、多くの成果が生まれています。この度、私の視点で見て「ぜひ受けてもらいたい」と思える検査を国内外から集めました。がんのリスク解析から早期発見、治療方針提案の各段階で患者様のお役に立てるはずです。がんリキッドバイオプシーは採血のみで検体が得られ、体に負担の少ない検査です。まだまだ新しい分野ですが、既存の検診や治療に上乗せする形でご利用いただければ幸いです。

 

柏の葉ゲノムクリニック院長

曽根原 弘樹